予約されている方がいなければ、20：15から23レスお借りしたいです

リプレイさんが21時からだね

私は問題ないですよー

投下自体すぐに終わると思うので大丈夫なはず、です…

時間になりましたので始めさせていただきます

本編２３レス、おまけで１レス、計２４レスとなります

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　魔剣物語　外伝

　　　　　　　　　　　　　　　　ドラグナール大陸　珍歴史

　　　　　　　　　　　　　　　　　　その３　晴れ時々…

　　　　　　　　　　　　　　　　　　ｔ-　 _　 ﾄ､
　　　　　　　 　 　 　 　 　 トｘ-==｀: : :｀丶:.＼j',
　　　　　　　　　　　　　∠´: : : : : : : : : : : : : : :.ト-z_　　 ＿＿
　　　　　　　 　 　 　 　 /, : : : : : : : : : : : : : :.─==≦￣ 　 ／
　　　　　　　　　　　　　{/!: : : L:.､: ',ヾ＼ﾄ､: : : :≧=-　 :／
　　　　　 　 　 　 　 　 　 ⅥＶ{ｄ ｀ヾ{　9).: : : : : ヾ__彡'
　　　　　　　　　　　　　　 ,　-‐'　　　ゝ--- :.. : : : ﾄ､',
　　　　　　　　　　　　　　iゞ='　　　　　　　　　; : : ミ､　　　　　　　　やぁ、本日もよくお越しいただいた。これで３回目だね
. 　 　 　 　 __　_　,x=＝ 人　　　　　ノ　　　　 _,彡'´
　　　　　_//´-=／　　　　 ｀ t-　'´-z= ,　_{ヽ　　　　　　　　　　　　前回は七十二臣発足時のお話、その前は十二英傑の時代
.　　　　　Y　'´'´rT　　　　　 　￣r-ﾍ.}/...-┐'
.　　 　 　 ト､　　人　　　 , -r==ﾁ{__,x:t::::::::/:＞　　_　　　　　　　　　ならば今回は間を取って、
.　　　　　　　 ＼ 　 Y　 /　,':::::::::i　　　 ／:::::::::::::／￣ヽ
　　　　　　　　r┴‐┴!r}　,'::::::::::|　　／::::::::::::::::::{　　　　,　　　　　　五代目から六代目魔王の間の時代といこうか
　　　　　　　　|￣　￢/　,':::::::::::| ／::::::::::::::::::::::::l　　　__,ｭ
　　　　　　　　|　　　 ,'　 l::::::::::::}'::::::::::::::::::::::::::::::∧、　 　 ',　　　　　今回紹介する事件は、私のお気に入りの一つでね
　　　　　　 　 j　　　,' 　 l:::::::::::ｏ:::::::::::::::::::::::::::://ﾊヽ　　　l
　　　　　　　 ,'　　　j, 　 |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,'ｲ　',　　 　 !　　　　楽しく語らせていただくとしよう
.　　　　　 　 i　　　　　 ,.!:::::::::::o:::::::::::::::::::::::://　　　,　　　｜
.　　　　　 　 {　　　　／'::::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　　　',　　 ∧
　　　　　　　 ｀ ｰ- '　/:::::::::::::::::::::::::::::::::::://　　　　 <､　　　 ',

　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　　　　│まだ五代目魔王による爪痕が深く、荒野が広がっていた土地│
　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　│これが今回紹介する事件の舞台となる、ムスペルヘイムだ　 │
　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────── ┘


　　　　　　.._.
　　　　　　　 ｀"ﾞ";':':';':.,.,_　　　　　　　　　　 _...:;;:''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,.;:.,..,;:;:;:,.,._,　...,,,..
　　　　　　　'"ﾞ''ﾞ"　　　　　　　　　　　　.,.,;:;゛:;:,.,.,_　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,,,......,,,,,;:;''"''':::..
　　　　　　.,;:　_...　　　　　　.....,,,,,;:;'''"'''"　　　　　　　　　　　　　　　　　　　....,,_,,,...;:;::''""''''"
　　　　　　　　　　　 ,.,;:;:;:;:;'''""""""　　　　　　　　　　　　..,.,;:':';',,,..;:.;:;';:;';''""
　　　　　　　　.,;:,.'""　　　　,.,..,.;:';';':':':.':.:.　　　　　　　　　　　""'''''''::::;:;:;;,..,,.,.,　　　　　　　　　_,,...;:;:;;:'''""'''';:;;:,.,.,...
　　　　　　"''''''""""""''"'";:;:;,.,＿,.　　　　　　　　　　　　　　.....,,,,__...,,;:;'''""''''::;;;;.......,,,,...;:;:;;''''"　　　　　　　　　..,:
　　　　　　　　　　.,,.,;:;:;:;;:'""''''''''''''''""""　　　　.,:;:.:;:';';';';';'''''''"""'''""""　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ::;
　　　　　　　　　　　;:,.,.,.,....__....,,__,...._......__.._._..,...._,,,.._....,,___.._....,,__,....,_,..,,_....,,__,,,..::::;;;;;;,,,.....　　ヾy　　　　.......
　　　　　　,,,..,,.,.､､.,;:'''"""ヾｲ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　""'''''"'''" i:レ´..;,_..;;::..............__,
　　　　　　　　　　　､ 丶　}:l,/ー´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´￣｀i:|　_/‐'
　　　　　　　　　 　 ´￣＼|;{　　/ ,　　　　　　　　　　　　　　 ..　　　　　　　　　　　　　ｰ、　 {:レ'
　　　　　　　　 　 　 _;>ｰ=}i|ー'￣_ﾉ　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ...　　　｀￣ヽ.}:|,.-'￣
　　　　　　　 　 　 ､＼ 　 |!l='ー<_　　　　　　　　　　　　　　　 . ...　　　　　　　　　　　 　 　 !:i|
　　　　　　　　　　 ￣｀ｰ=|:;{　 l　 ,_　　　　　　　　^　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　´
　　　　　　　　　　　　　　}i!;|／￣　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＿＿
　　　　　　　　　 　 　 　 |:;!il　　　　　　　　　.... ..　　　　　　　　　　　　 ／ヽ ＿ /ヽ
　　　　　　　　　　　＾　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /　..:::'l ::.:　.:.::＼　　　　　＾　　　　..,,;:.,..
　　　　　　　　...,,..,;:..　　　　　　　　　r‐､　 　 　 　 　 　　 　 　　　 　 '"'"''"'　￣ "''"''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀"""

　　　　　　　　　┌──────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　│土地は痩せ、地質は固く満足に耕せすらしないこの不毛の荒野には│
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　│迫害によって流れ着いた人々が小さな村々で細々と暮らしていた　 │
　　　　　　　　　└──────────────────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　, -――- ､
　　　　　　　　　　　　　　　 ／三三三三=ヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 /三三三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 l三三三三三三三}
　　　　　　　　　　　　　　 l三三 三三三三/　　　　　　　雨が降ってもくぼみに貯まるばかり…
　　　　　　　　　　　　　　 ヽ=三三三三三{
　　　　　　　　　　　　　　　∨ﾆ三三三三/
　　　　　　　　　　　　　　__/三三 三三／　　　　　　　　　飲水はそれでいい、けれど農作物が育たないのは…
　　　　　　　_, 　-　 '" ´三三三三三 ヽ､_
　　　　 ／三三三三三三三三三三三三三三ヽ､
　　　／三三三三三三三三三三三三三三三三ヽ　　　　　　これじゃあ家族どころか一人すら満足な食事ができない…
　 ／三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
三三三三,三三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
三三 ／　ヽ三三三三三三三三三三三三三三三!､三三三三ヽ
三／　　 　 ヽ三三三三三三三三三三三三三三|　｀ヽ､三三三 ＼

　　　　　　　┌─────────────────────────────────　 ┐
　　　　　　　│来る日も来る日も飢えてばかり、明日の見えない彼らに、誰も手など差し伸べない│
　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　│なにせここにいるのは、厄介払いや追放された者たちばかりなのだから　　　　　　│
　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　│現れるのは新たな追放者や、中央で商売からあぶれた行商人程度だった　　　　  │
　　　　　　　└─────────────────────────────────　 ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,　-―- ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ／: : : : : : : :＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 /: : : : : : : : : : : : :､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {: : : : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ',: ＼: : : : : : : : : : : : :.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 Vヘ.)>､: : : : : : : : : : : : ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ノ⌒＾/　 ヽ:ヽ: : : : : : : : : : :ヽ
　　　おかーさん、おなかへったよぅ…  /´: :_: :{　　　 ',: ',: : : :＼: : : :.ヽ:ヽ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 j: : : : :_j　　　　}: :',',: : : : ヽ: : : :}: |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｛: : :ト( ｣　　　 ハ_｣レ-―'⌒ ーr'　　　　　　ごめんね坊や、もうごはんはないの…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 乂ゝ- /　 　 /＿＿__ , -┐　 ｛⌒!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/`厂￣｀　　 /:::::::::::::oo}} ⌒)　└イ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　L｛＿＿＿／＿_,,..　-‐' ￣　 　 　 |　　　　　　本当にごめんね…
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /⌒＼　 /::::::/::::::o／　ヽ　　 　 　 　 　 　 〉
　　　　　　　　　　　　　　　/⌒ !　　.l　＼:::::::::::o／{　{　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　 / ⌒ | ⌒ |　　} ヽ::／ 　 ヽ ヽ　　 　 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 :|　　 |　ノ ／{　　 　　 ＼＼　　　　　　 ／

　　　　　　　　　┌────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　│だがある時、一人の少年が水場でわずかに取れる貝類に着目したことが│
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　│大きな転換点となる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　└────────────────────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿
　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三ﾆヽ
　　　　　　　 　 　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　 　 {ﾆ三三三三ﾆﾉ　　　　　　　　　　　　　　…そういえば、以前やってきた行商人から聞いたことがあるぞ
　　　　　　　　　　　　',三三三三ﾐ/　　　　　　ﾄ
　　　　　　　　　　　　 ',ﾐ三三三ﾐﾉ　　　 　 　 |.l,.-､_
　　 　 　 　 　 　 　 _.,/ニ三三ﾐ/　　　　 　 　 ',三ミ~〉　　　　　海岸付近では貝類を人の手で育てて食べてるって…
　　　　　 _,,．-‐＝ﾆ三三三三`-　．,,._　　　　 ヽ三ミ〕
　　　　 ,'三三三三三三三三三三三ミ` ､　　　　〉ニﾐ',
　　　　,'.三三三三三三三三三三三三三`-､　 `、ニﾆ',　　　　たしか、ようしょく…っていうんだったかな？
　　　 ,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三三ミ＼_〉ニﾆ.',
　　 .,'ニ三三三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ.',
　　,'ﾆ三三三三三三三三三三三三ミ.,- ．,ﾆ三三三三ﾆ〉　　　これを増やせれば皆お腹いっぱいになれるんじゃ…！
　.,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三.l　　　 ~"''ｰ-.＝.-'
. ,'.ニ三ﾆ,'',ﾆ三三三三三三三三三三',
.,'ﾐ三三ﾐi　',ﾆ三三三三三三三三三三l
ｉ三三三i　 .',三三三三三三三三三三ﾐl
|ニ三三|　　|ﾆ三三三三三三三三三ミ.l

　　　　　　┌─────────────────────────────────────── ┐
　　　　　　│少年は早速、行商人から聞いたやり方から、一から手探りで貝の養殖を始めた　　　　　　 　 　 │
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　│当然、最初はうまくいくはずもない。貝類は生命力こそ強いが、思ったように増えてくれないのだ│
　　　　　　└─────────────────────────────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,r.''ニ';;'´ヽ、
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'ニ三三三ﾆ.`ｰ.-ｰ ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,'ﾆ三三三三ﾆ,､ﾆ三三ミ .ｰ､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 〔ニ三三三ﾐﾉ　　.L三三三三ヽ　　　　ダメだ、もう半年も続けてるのに一向に増えてくれない
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,ノニ三三ﾆ.,´_,,．-‐ｰ-.ゝ三三ﾐ,ｨ
　　　　　　　　　　　　　 .,．-‐.ﾆ三三三三三三三三三三三ミ,.r"
　　　　　　　　　　　　 ./ニ三三三三三三三三三三三ニ, r'"　　　　　　　餌になるって聞いて集めた水草は食べてるし
　　　　　　　　　　　　.,'ﾆ三三三三三三三三三三三ミ／
　　　　　　　　　.　　./ニ三三三三三三三三三三三ﾆi
　　　　　　　　　.　 /ﾆ三三三三三三三三三三三三ﾐ|　　　　　　　　　　　おじさんに聞いたオスメスの判別をして同じ池に入れてるのに…
　　　　　　　　　　,'ﾆ三三三三三三三三三三三三三|
　　　　　　　　　..,'.ニ三ﾆ,ﾐ三三三三三三三三三三ミ|
　　　　　　　　　.i三三ミ/.',三三三三三三三三三三ミ|　　　　　　　　　　　一体何が駄目なんだろう…
　　　　　　　　　ｉ三三ﾐ,'　 .',三三三三三三三三三三.l
　　　　　　　　　!ニ三ﾐl　　 lﾆ三三三三三三三三三ﾆi
　　　　　　　　　.!三三.l . 　 ',ﾆ三三三三三三三三三ﾐi

　　　　　　　　　　┌──────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　│そんなある日のこと。荒野に何者かが中身が入った瓶を大量に捨てていった │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　│人などいないものとして扱われている土地柄故に、時たま不要になったものを│
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　│捨てに来る者たちがいてね、今回もそれだったのさ　　　　　　　　　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　└──────────────────────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 -―━━━―-
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　i{　　　　　　　　　　　　}!
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　| ≧=- 　 　 　 　 -=≦|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|　　　　　　　　　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 人　　　　　　　　　　　 人
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 :.:.:.:.≧s｡.,＿＿＿_,.｡s≦:.:.:.:
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |｀　　..,__:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:__,..　　´|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 　 　 ￣￣￣￣　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　　　　　へ.　　　　　　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　　　 　 ／　　 ＼　　　 　 |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 | 　 　 　 ¨¨¨¨¨¨¨¨　　　　｜
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |　 　 　 i二二二二!　 　 　 |
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 |:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. |
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〕is｡:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｡si〔
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ≧=――――=≦

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│当初、少年はそんな瓶になど目もくれなかった。当然だ、いらないものとして捨てられてきた得体の知れないゴミ　 　 │
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
│そんなものに関心を向けるはずもなかった。しかしその１ヶ月後、１月に一回行っていた貝の計測をしてみたところ…│
└───────────────────────────────────────────────　 ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 __
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,r.''.三三ﾆヽ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,'ニ三三三ﾆ.i
　　　　　　　　　　　　　　　　i三三三三三{
　　　　　　　　　　　　　　　　l三三三三三}　　　　　　　あ、あれ？　貝が前よりも増えているぞ…！？
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 `、三三三ﾆ.j
　　　　　　　　　　　　　　　　　j三三三ﾐ,.'
　　 　 　 　 　 　 　 ＿　 _, , .ｲﾆ三三三L　　　　　　　　　僕の努力が実を結んだのか！？
　　　　　　 　 　 ,.'´三.￣ﾆ三三三三三ﾆミ　､
　　 　 　 　 　 ,.'ニ三三三三三三三三三三ニ`　､
　　　　　　 r ''ﾆ三三三三三三三三三三三三三ミ!、　　　　ば、ばんざーい！　これで皆飢えなくてすむぞ！
　　　　 .／三三三三三三三三三三三三三三三三`、
.　.　..／ニ三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆ.`、
　 ,r'ニ三三ﾐ,_‐''"',三三三三三三三三三三三三三三.',
.,r'三三三三三ミ'`'ニ三三三三三三三三三三三三三ﾆ＼
ゝﾆ三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三ミ` .､
　　 　 ~"'' ｰ'"~""'',.｢ヽニ三三三三三三三三三三ﾆi ､ﾆ三三ﾐ＼
　　　　　　 　 　 　 `'.　.',ﾐ三三三三三三三三三三ミl　 `　､ニ三ﾐ＼

┌──────────────────────────────────────────── ┐
│だが、他の池も調べてみたところ貝は全く増えていなかった。少年がこのおかしな現象に首をひねっていると│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 │
│池の端に転がっているものを見つけた　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
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　　　　　　 　 　 ＿
　　　　　　　 .／.ﾆ三"''-､
　　　　　 　 /三三三三ミヽ
　　 　 　 　 |ニ三三三ニノ
　　　　　 　 ',ﾆ三三三ミﾉ
　 　 　 　 　 .i三三三三'､
　 　 　 　 ,.､ﾉﾆ三三ﾐノ､>ヽ　　　　　　　あ、これってこの前捨てられてた…！？
　　　_,r.'"ニ三三ﾆ.└.ゝﾆミ〉
., -.''三三三三三三三三三｀.ヽ
|三三三三三三三三三三三ミ',
',ニ三三三三三三三三三三三',　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|￣￣￣|
. ',ニ三三三三三三三三三三三',　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 _､─'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.｀─､_
　 ',三三三三三三三三三三三ﾆ.i　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　 .`、三三三三三三三三三三三}　　　　　　　　　　　　　　　　　　　|.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　 .`､ﾆ三三三三三三三三三ミ,'　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 |.:.:.:|￣￣￣￣￣’|:.:.:|
　　 　 ヽ三三三三三三三三ミl`´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |.:.:.:|.　　　　　　　 .|.:.:.|
　 　 　 .}ニ三三三三三三三ﾆ.l　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:|.　 　 　 　 　　|.:.:.|
　　　 ./三三三三三三三三三.|　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 |.:.:.:|.　　　　　　　 .|.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:|.　 　 　 　 　　|.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:|＿＿＿＿＿_.|.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.|
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀＝===========＝´


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　　　　　　　　　　　│そこには、蓋の開いた瓶が転がっていた。そう、貝の増えた池には│
　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　│瓶から流れ出た液体が流れ込んでいたのさ　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　└───────────────────────────  ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ＿
　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／三三ﾆヽ
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ./ニ三三三ﾆ`、
　　　　　　　　　　　　　　　 　 {ﾆ三三三三ﾆﾉ
　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',ニ三三三ﾐ/
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ',ﾆ三三三.ﾉ　　　　　　f.i　　　　　　　　　　　そ、そうか！この瓶に入っている液体は
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _.,/ニ三三ﾐ/　　　　　　　l k^ｎ,､
　　　　　　　　　　_ ,,．-‐ ''三三三三ニ`-　．,,._　　 　 lニニ〈
　　　　　 　 　 ／三三三三三三三三三三三ミ`､.　　 ＼ﾆミ{　　　　　　　貝を増えやすくする効果があるんだ…！
　　 　 　 　 ,fﾆﾆ三三三三三三三三三三三三ニ＼　　',三三~l
　　　　　.／三三三三三三三三三三三三三三三三＼_|ニ三ﾐ|
. 　 　 ／三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三.',　　　　　つまり、これを貝に与え続ければ…！
　　,r'ニ三三ニ,.r''､ニ三三三三三三三三三三三三三三三三ﾆl
. ,r'三三三.,.r.'.　　.`､ﾐ三三三三三三三三三三ミl ~''.‐ ,,三三三.|
〈ﾆ三三ﾐヽ.　　　　　.',三三三三三三三三三三ミl.　 　 　 ~''.‐.,,_ﾉ
. `､三三三',　　　　　.',ニ三三三三三三三三三ﾐ|.
　　ヽニ三ﾆ`、　　 　 .i三三三三三三三三三三ﾐi
　　　 ヽニ三ﾐ＼　　　ｌ三三三三三三三三三三ミi


　　　　　　　　　　　┌────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　　│早速、彼は行動に移した。彼が使用していた池は、元々あまり清潔でなく│
　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　│飲水はおろか洗濯にすら使われない場所だったので、躊躇なく投入した  │
　　　　　　　　　　　└────────────────────────────── ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────── ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│そして、それから３年もの時間をかけ…│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .／.ﾆ三"''-､
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 /三三三三ミヽ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 |ニ三三三ニノ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 ',ﾆ三三三ミﾉ　　　　　　　　…やった、やったぞ！
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 .i三三三ミ,'
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,.､ﾉﾆ三三ﾐノ
　.,､　　　　　 　 　 　 　 _,r.'"ニ三三ﾆ.└ ,,_　　　　　　　　ついに、ここまで増やして成長させられた…！
ｉi.,ｊ.! ,')　_　　 　 　 ., -.''ﾆ三三三三三三三ミ"''‐､
.',ﾐч｛// 　 　 　 .ﾉ.ﾆ三三三三三三三三三三ミi
. ｀ ､ニﾐヽ　　 　 .jﾐ三三三三三三三三三三三ミi
　 　 .ヽ.ミゝ, 　 .j´ニ三三三三三三三三三三三ﾐi
　　　./ニニヽ_/ニ三三三三三三三三三三三三ﾐi
　　　 `､三三三三ミ.人ﾆ三三三三三三三三三三i
　 　 　 .`､三三三／　.`､ﾐ三三三三三三三三三ミi
　　　　 　 '.,ﾆミ／　　　　.',ﾆ三三三三三三三三三.i
　　 　 　 　 `" 　 　 　 　 .〉三三三三三三三三三ミi
　　　　　　　　　　　　　　/ﾆ三三三三三三三三三ミ',


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐-ｭ､_
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 ,f¨ _ 　 ＿彡メ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ“ﾐ_　　　_＿_彡'少ヽ,
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　　　,ィ“ヽﾐ_　　　　_＿__彡'　　卞､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.　　　 ,イ“ヽﾐ_　　　　　 _＿＿彡'　　　少、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,f”人　　　　　　　　_＿＿__彡'　　, '　 ヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,4　　　、　　　　　　　_＿＿＿彡ィ´ , '　,　 ヘ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　　ヽ　　　　　 _＿＿＿__彡ィ´ , '　　　　 !
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿彡ィ´　　　　　 }
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　 彡 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 匁　　　　　　　　　　　　　　　 彡　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`・之　　　　　　　　　　 彡　 ,斗'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ-､ﾆﾆ二三三二ﾑィ"


　　　　　　　　　┌────────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　│小粒で大して食べられなかった貝は、数もさることながら、２回りも大きくなったんだ│
　　　　　　　　　└────────────────────────────────── ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 .＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　／ﾆ三ミ.＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　.,'ﾆ三三三三ヽ
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 .'､ﾆ三三三三ﾐ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 .`,ニ三三三ﾐ,'　　　　　　　　　　　よーし、早速村の皆のところまで知らせてこよう！
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 '、ニ三三ﾐ,'
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 .'､ﾆ三三ﾐ`､._
　　　　　　　　　　　　　　　　　　_ ,, ．-''ﾆ三三三ﾐニ＝‐- ．,,
　　　　　　　　　　　　　　　　 ,.'ﾆ三三三三三三三三三三三ﾐ＼　　　　　みんなきっと喜ぶぞ！
　　　　　　　　　　　　　 　 ／三三三三三三三三三三三三三ミ`',
　　　　　　　　　　　　 ._／三三三三三三三三三三三三三三三三＼
　　　　　　　　　　　／ﾆ三三三三三三三三三三三三三三三三三三＼
　　　　　　　. 　 ／ﾐ三三三三三三三三三三三三三三三ミヘ三三三三ヽ
　　　　　　　.／ニ三ニ,． '" i三三三三三三三三三三三ﾐ/　　 ` .､三三三ヽ
　　　　　　　',ニ三ﾐ､‐' 　 　 .lニ三三三三三三三三三ニ,'　　 　　　7ﾆ三三ミ〉
　　　　　　　..'.,三三',　 　 　 .l三三三三三三三三三三ﾐ,'　　　 　 ./三三三,.'
　　　　　　　　.`、三.`、　 　 ｌ三三三三三三三三三三ﾐl　 　 　 .,.'三三ミ, '
　　　　　　　　　`、ﾆミ`、　 .lﾆ三三三三三三三三三三.l　　　／ﾆ三ミ, '


　　　　　　　　　　┌─────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　│ん？これじゃあただの感動ドキュメンタリーだって？まあ慌てないでくれ給え│
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　│ここからが、実に面白い展開となるんだ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　└─────────────────────────────── ┘

　　　　　　　　　　┌────────────────────────────  ┐
　　　　　　　　　　│この舞台となっているムスペルヘイム、かなり温暖な気候が特徴でね│
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　│天候が不安定で、発達した積乱雲が発生しやすかったそうだ　　　　  │
　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　│加えて彼が養殖していた貝は…　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　└────────────────────────────  ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　0 Ｏ 　0　　　。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__）　　　　0　　　O　　　　O
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（__）　　　　 0　 　Ｏ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 , -‐-ｭ､_　　　　　　　 　 　 　 （__）　 0　 　Ｏ
　　　　　　　　　　　　　.　　　　　　　　 ,f¨ _ 　 ＿彡メ、　　　　　　　　　　（__） O　　　　O
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ“ﾐ_　　　_＿_彡'少ヽ,　　　　　　　 ○ 0 　 O　　　　　。
　　　　　　　　　　　　　.　　　　　,ィ“ヽﾐ_　　　　_＿__彡'　　卞､　　　　　　（__）O　 。
　　　　　　　　　　　　　.　　　 ,イ“ヽﾐ_　　　　　 _＿＿彡'　　　少、　　　 　 Ｏ O
　　　　　　　　　　　　　　　 ,f”人　　　　　　　　_＿＿__彡'　　, '　 ヘ、　　　　  ○　 。
　　　　　　　　　　　　　　 ,4　　　、　　　　　　　_＿＿＿彡ィ´ , '　,　 ヘ、　 ○　　　O
　　　　　　　　　　　　　　 |　　 　　ヽ　　　　　 _＿＿＿__彡ィ´ , '　　　　 !　 O
　　　　　　　　　　　　　　 | 　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿彡ィ´　　　　　 }　 （__）O
　　　　　　　　　　　　　　 ﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　 彡 　 　 　 　 /
　　　　　　　　　　　　　　　 匁　　　　　　　　　　　　　　　 彡　　　　　 /
　　　　　　　　　　　　　　　　　＼　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　`・之　　　　　　　　　　 彡　 ,斗'"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ｀ｰ-､ﾆﾆ二三三二ﾑィ"


　　　　　　　　　┌───────────────────────────────  ┐
　　　　　　　　　│温かな空気を吐き出す世にも奇妙な貝、ヴェイパーと呼ばれる貝だったのさ│
　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　│数匹程度なら別段大したものじゃない、だがそれが大量となると話は別だ　 │
　　　　　　　　　└───────────────────────────────  ┘

　　　　　　┌─────────────────────────────────── ┐
　　　　　　│温暖な空気は上昇気流を伴い、ムスペルヘイムの不安定な気候から雲が形成された│
　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 │
　　　　　　│それもただの雲じゃない、とびきりでかくて分厚いやつが出来上がったんだ　　　　　　 │
　　　　　　└─────────────────────────────────── ┘


　　　　　:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ´｀｀`´`ヽ,::::::::::::::ﾉ｀｀´ヽ,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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　　　　　　　　...,,..,;:..　　　　　　　　　r‐､　 　 　 　 　 　　 　 　　　 　 '"'"''"'　￣ "''"''"
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　｀"""

　　　　　┌───────────────────────────────────────　 ┐
　　　　　│異常に発達した積乱雲は、乱回転する下降気流を生み、やがてそれが上昇気流と結びついて…│
　　　　　└───────────────────────────────────────　 ┘








　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ,.. -'''"゛　　　　　　　 　 　 　 =三三ﾆ=　　　　　　　　￣ﾞﾞﾞ"''''―-二,ﾞ￣ﾞﾞ^''''''￢ｰ- ..,,,、
　　　　　　　　　　　　　　　‐´　　　　　　　　　　　　　　 ''''''ﾞ广三≡ﾆ　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀ﾞ''ｰ　　　　　　 .｀'''､
　　　　　 .i　　　　　,i　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 仁≡三ﾆ　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　 . ｌ　　　　"!､　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,,..　-ト――ﾆｌﾆﾆｰ-．　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _..-'゛
　　　　　　 .＼.　　　　｀　　　　　　　　　　　　　　　 !､,、　 .仁"三≡＝　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 _,y‐'´
　　　　、　 t--ﾆﾆｭ,,,_ 　 　 　 　 ,,,,,＿__、　　　　　　　　　ﾆ≡≡二ﾆ=　　　　　　　　　__,,,.... --ｰ'''''''￣´ 　 　 　 　 　 _,, y
　　　　.｀''-､,`'-..〟　 .｀　　　　　　 ｀ﾞ'''''｀-二,ﾞ¨ﾞﾞﾞ''''''''　　=ﾆ三≡≡ﾆ=　--‐=ﾆﾆﾆﾆ｀-―‐;;ﾆﾆ｀-!￣　＿,,,..　　 ._.. -'"゛
　　　　　　　 ｀ﾞ''―-　　　　　 =＝ﾆﾆ￢'''''''ﾞﾞﾞﾞ´　　　　　 /ﾆ二三三ミ｛　　　　　 ―＝｀-―￢'''''''"ﾞ￣´　　　 ''!冖'ﾞ,ﾞ＞゛
　　　　.-　..,,_、　　　　　　　　　　　　 ￣￢r--ー　　　　.l彡三三三=ミ!　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _,,..ニ二 -‐'''"´
　　　　　　　　 ｀ﾞﾞ'''''―- ....,,,,_　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 /彡三三二=ミ{　　　 　_＿_‐=＝ﾆﾆﾆ＝=‐ -ｰ'''ﾞ~ﾞ´
　　　　　　　　　　　ｰ＝tﾆﾆ＝=‐--'　　 　 　 　 -＝｀-l彡三三三ﾆ二尸￣￣´　　 .''''''ﾞﾞ￣￣゛
　　　　―――――‐=＝ﾆニ二二ニ＝-冖'　　　　　　ｌﾆ三-‐=＝ﾆﾆ＝‐-　.,,、　　 　＿＿r--―…
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /ﾆ三三二三三三ミ￣ﾞ"''-、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 l彡三三二ﾆ三三ﾆミ}　 　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　_,,.. -ｰ'二二二ﾆ----- ﾆ二ミ｝
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ／″''''^ﾞﾞﾞ/彡ニ三≡≡≡二三ﾆミ}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ゝ　＿　　/彡ニ三三三三二三ニﾆミ!　　　 ））
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /彡ﾆ三三三二二三三三ﾆミｌ　　 ノ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/彡三三-‐=＝ﾆﾆﾆﾆﾆﾆ＝=‐ミ{
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /彡三三三三三三三三三三三ミｭ　 ＿
　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 /彡三二二二二 -‐=＝ﾆニ二ニ＝ヽ　　 ﾞゝ
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 _,,,..　-ｰ￢''7￣￣二二_￣￣´三三三三￣￣¨¨ミｭ　　ノ
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 ｀゛　　　　　 ./彡三三三三三三三三三三三三三三ミｭ
　　　　　　　　 　 　 　 　 ( (　　　 　 　 /彡三三三三三三三三三三三三三---ｚ＿_ｺ,,__
　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 '''''―;;/彡三三三三三三三三二二二三三ニニ＿＿＿＿_ ￣"''―　..,,、
　　　　　　　　　　　　　　　_,,,.... --ｰ'ﾞ‐'''''''''二,ﾞ"″三三三三三三三三三三三三三三ミｭ｀ﾞﾞ''''ｰ　,,,　　｀ﾞ'ｰ ､
　　　　　　　　　 . _.. -'''"´ ._,,.. -‐ｧ'''ﾞﾞ￣￣三三三三三三三三三三三三三三三三三三ミｭ　　　　 ﾞﾞ'‐､、　 .ﾞ＼.
　　　　　　　　 .ｒ'"　　 .／´　　 /彡三三三三三三三ニﾆ＿＿＿z -----三三三三三三ﾆﾆミｭ　　　　　 . ＼ 　　｀'､



　　　　　　　　　　┌───────────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　│特大の竜巻を発生させたんだ。その直下にあった”貝の養殖場”を巻き込んでね│
　　　　　　　　　　└───────────────────────────────── ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ∥ ,ｘ=z、
　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,ｲﾘ,ィ --　､
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,ｘ≦ﾆﾆﾆ≧ｘ　 ＼ 　 　 　 , r７
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ﾉ{ニニニニﾆﾆ}　　', 　 , イ,､ /
　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 { |二ニニニﾆﾆ}!　　 ／　/ /,'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ・ ・  ・ ・  ・ ・  ・
　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ,リiニニ=＝=ﾆﾆｘ≦´　,　' /,　　　　　　　そう、発生した竜巻は貝を巻き込んだ
　　　　　　 　 　 r-‐ ‐＝=-‐-v/´　　　　 　　 /　　／/,乂
　　　　　　　　 　 ｀　ヾ　 　　／ 　 ＿＿....::彡'‐-ヾ彡'/
　　　　　　　　 　 　 　 　 ｀ ヾｘ≦Tﾘ_/ヾ｀ '＝=' 　 ヾ=->　　　　　　　　　これが世にも珍妙な貝の竜巻
　　　　　　　　　　　　　 　 　 ﾘﾊﾒﾊ´｀ｲ　ヽ‐＝ , 　 , イ
　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゞ=i´ ==,　 　　ﾉ,.＜ __
　　　　　　　　　　　　　　　　 ｘ≦: :ゝ ｀´__ ,, ,ｲ .{=＝　 〉　　　　　　　　　　”シェルネード”と呼ばれる代物さ
　　　　　　　　　　　　　　 < ´: : : : : : :＞｀=´r=≦´￣: {_
　　　　　　　　　　　_, ｘ≦: :｀＞､: : : : : :rｿ ,{! : : : : : : , 「L」｣_ ､ ＿
　　　　　　　 　_,r彡: : : : : : : : :,ｘ==‐-'､ ヽﾉﾍ, イ : ／ : : : : : : : : : : ｀:ヽ
　　　　　　 　 ｿ: l : | : : : : : : :,ｘゞ＝' r= ゞ 丶.{., r ７x､: : : : :) : : : : : : : ヾ
　 　 　 　 　 / : :! : l: : : : : ／ ,　=-､ﾉ｀ヽヾ!　｀ヽ: 彡' : : : : ﾉ: : : : :i/,' : : : ｀ヽ
. 　 　 　 　 /: : : l! : l : : : 《　, '　￣)ニ ヾ　｀　 　 ＼: : : : :/ : : : : , 彡' : : : : : :＼
.　 　 　 　 ,': : : : l! : : : : : :ゝ　 ' ￣): :/: ＞ 、　　　 ヽ: : : : : : : : l!:／.: : : : : : : : :.＼
　　 　 　 /: : : : : li: : : : : : ∧ 　 ´ ﾉ:,': ', : : : ヽ　　 　 ヽ=,: : : : : i,ｨ: : : : : : : : : : : : : :≧ｘ
.　 　 　 / : : : : : :‘，: : : : : : }　　 {': : : : : : : : : ＞彡'⌒_　＼: : :/ : : : : : : : : : : : : : : : : : 》
　　　　,': : : : : : : : :ヾ: : : : : :.|　　 |: : : : : : : : :《¨´　, イ　＼､＼' : : : : : : : : : : : : : : : : ／

　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────────────　 ┐
　　　　　　　　　　　　│突然の自然災害に、当時村人たちはそりゃあ驚いたという　　　　　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　│まあ、目の前でいきなり竜巻が巻き起こればだれだってそうなるだろうがね│
　　　　　　　　　　　　└──────────────────────────────　 ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　, -　へ、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,. {　/　＼＼─ ､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／,:/|　|　}V:ﾊ　V　iト-､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　/;'/;'/::| iﾊ ⅣV｝　|　 |　∧　　　　　　　な、な、な…
　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ′{/|/ﾚV　'´o ∨ ｌ|　 |　l ∧
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | /{：：：/=ミー=' Ⅳ},　l|　l Ｖﾍ、
　　　　　　　　　　　＿rへ-､_　　　　 　 j/l:{-'^〈::.　 　＼　j/ ∨l, ﾄ､ 弋
　　　　　　　　　／:::/:{:::::::::::::⌒ト､　　　 | ::l　 r===　、　＼ l ;ﾊ|　ノ ﾍ
　　 　 　 　 　 /:{:/人:!ﾊ:l:ﾄ;::::::::::::::ヽ　　 ∨’,　!::::::, -.ﾞ　 　 > -＜　|⌒　　　　　　　､__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ 人
　　　　　　 　/{::jム}　}'f ｡㍉::::::::::::::::l　　　　∧ l:/　 　 } ／j / / ﾊ |`　　　　　　 　 ）　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （
　 　 　 　 　 {::}:｛ ﾟ/　　ｰ- /::::::::::::: 弋　　 　 ∧L__彡／　厶 vV　`　　　　 　 　 　 ）「「「なんじゃこりゃああああああ！？」」」  （
　　　　　　　 }:::〈　ゝ＿　　'⌒ﾉ:/^Y:「`　　　　 , =fﾆ´-　￣　＞､　　　　　　　　　　  ）　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 （
　　　　　　　ﾉⅥ,　{::::::::ﾍｰ=彡｛／:V　　　_,. -ﾉVxﾑ　　　／: :./≧=---::.........＿　　 ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒  Ｙ
　 　 　 　 　 　 ∧ l／　 }　.イ::::ﾊ从,. ＜:::／/VへV∨／: : : /::::::::::::::::::::::::::: : : :
　　　　　　 　 　 ∧ー ,.´<--ミ＜::::::::::::／: :｛:く＞ {.／: : : : :/::::::::::::::: : : : : : : :
　　　　　　　　　 {ﾆ「ニニ=／: : : : : :: : ｰ＜ |ﾍ::V^/: :⌒＼/::::::::: : : : : : : : : :

　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　　　│巻き上げられた貝は竜巻とともに荒野を横断した　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　│その過程で貝はあちらこちらに吹き飛ばされ、雨のように降り注いだ│
　　　　　　　　　　　　└──────────────────────────── ┘


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　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　 ＼＼＼＼＼
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼＼＼
　　　　　　　　　　　＼＼＼＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼＼＼
　　　　　　　　　　　　 ＼＼＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 ＼＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 ＼  __
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ／三三≧z､
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ＼＼　　 　 　 , -‐-ｭ､_　　　　　　　　　　　 　 　 /三三三三三 ＼
＼＼＼＼　　　　 　 　 　 　 　 　 .　　　　  ＼　　 ,f¨ _ 　 ＿彡メ、　　　　　　　　　　　  {ミ 三三三三三∥
　　  ＼＼＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　,ィ“ﾐ_　　　_＿_彡'少ヽ,　　　　　　　　　  ヾミ三三三三彡'
　 　 　 ＼＼＼　　　　 　 　 　 　 .　　　　　,ィ“ヽﾐ_　　　　_＿__彡'　　卞､
　　　　　　　＼＼　　　　　　　　　 .　　　 ,イ“ヽﾐ_　　　　　 _＿＿彡'　　　少、
　 　 　 　 　 　 　 ＼  __　　 　 　 　 　 ,f”人　　　　　　　　_＿＿__彡'　　, '　 ヘ、　　　＼＼＼＼＼＼
　　　　　　　 　 ／三三≧z､　　　　 ,4　　　、　　　　　　　_＿＿＿彡ィ´ , '　,　 ヘ、　　 ＼＼＼＼＼
　　　 　 　 　 /三三三三三 ＼　　 |　　 　　ヽ　　　　　 _＿＿＿__彡ィ´ , '　　　　 !　　　　 ＼＼＼＼
　　　　　　　 {ミ 三三三三三∥　　 | 　　　　　　　　　　 _＿＿＿＿彡ィ´　　　　　 }　　　　　　  ＼＼＼
　　　　　　　 ヾミ三三三三彡'　　　 ﾏ　　　　　　　　　　　　　　　　 彡 　 　 　 　 /　　　 　 　 　 　 ＼＼＼
　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 匁　　　　　　　　　　　　　　　 彡　　　　　 /　　　　　　　　　　　　＼＼
　　　　　　　　　　　　　 　 　 　　　 　 　  ＼　　　　　　　　　　　　　　彡　　　　／　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼  __
　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　 　　 `・之　　　　　　　　　　 彡　 ,斗'"　　　　　　　　　　　　　　 　 ／三三≧z､
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ｀ｰ-､ﾆﾆ二三三二ﾑィ"　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 /三三三三三 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　　　　    __　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 {ミ 三三三三三∥
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 ヾミ三三三三彡'


　　　　　　　　　　　　　　　　┌──────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　│サイズで考えれば、大粒の雹が降ってくるようなものだ　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│村の人々は家屋に逃げ込み、貝の豪雨が去るのを待った│
　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────────── ┘

　　　　　　　┌─────────────────────────────────── ┐
　　　　　　　│やがて竜巻が収まると、辺り一面には貝が散らばっていた　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　│幸か不幸か、少年が育てた貝は繁殖しすぎて村では消費しきれない量だったのだが │
　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　│竜巻が各地に転々と存在する村々に、貝を届けてくれるという副次効果があったんだ│
　　　　　　　└─────────────────────────────────── ┘

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ヽ　〈
　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 __〉／}
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 |　 　 .|　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ,．-zっ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 | 　 　 | 　 　 r‐-‐ ､_　　　　　　　　　 　 　 /　Eｦ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 | 　 　 ヽ　 _ﾉ::＿＿::::::｀丶 　 　 　 　 　 ／}　／
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 ', ﾉ:/,,,_　r‐ ヽ ::::::}　 　 　 　 ／ 　 |´
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ヽ　　 　 {:::(三ﾉヾ三){:::_:/　 　 　 ／　　　ﾉ　　　　　　　　　　いやっほおおおおお食糧だあああ！
　　　 　 　 　 　 ,.．-‐…‐- ､　 　 　 　 　 |　　　　ヽ:{ ,,'ｰ'''_ヽ l/ノ　 　 　 /　　　／
　　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 ＼　　　　　　　　　　　ﾊ ヽ_／　ﾉ!　　＿ ／　　　/　　　　　　　　　 ＿＿＿__
　　　　　　 /　　,．-‐─‐､- ､　 ヽ　　　　　ヽ　　　　　ヽ_l!_.／/￣　　　　　　 /　 　 　 　 　 　 ,ｲ三三三三ﾊ　　　　　拾え拾え！
.　　　　　　{　／　' ｨ≦＝､ゝ::＼　l　　　　　 |　 　 　 　 !　　 /　 　 　 　 　 ／　 　 　 　 　 　 /三三三三三ﾑ
　　　　　　 V≧=>‐(三三ﾉ　l:::::(ヽ!　　 　 　 |　 　 　 　 ＼_/　　　　　　 ／ 　 　 　 　 　 　 ノ三三三三三三ム
　　　　　　/::{=三|!　_ヽ..,,,,,_　!:::::V　　　　　　|　　 　 　 　 ,.．-‐─ - ､／　　　　　　　　　 (三三=-──-=三三)
｀丶､　　　|::::｀iー'〉ニノ_ｨｭヾ)|::::::|＿　　　　　|　　　 　 ／:::::::::::::::::::::::::::￣｀ヽ　　　　　　　　寸=!-(三)¨(三)‐|少'　　　　　母ちゃん桶もってこい桶！
　　　｀丶､|::::八 〈/辻ﾆノ　　 |::::::|　　 ￣ 7　 |　　 　 /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　　　　　(4{　 ,､(,,_,,)､　 .}7)
　　　　 ／|:::::::/＼　ー‐ '´　/:::::/　　　　/￣￣/｀ヽ/／´￣｀`´￣￣｀`ヽ:::::::::::::ヽ　 /三三三=.! 〃r===ｧﾍ l=三三
　　　　 ＼|::::::|.　　｀ヽ_川〉'/::::/　 　 　 /　 　/ /￣{:| 二ﾆ､　　 ,ニ二　　ヽ::::::::::::! ./=三三三ﾆヽ　｀ ｰ '　 /ﾆ三三
　　　　　　| ::::!　　 　 |ヽ､　!:::/　 　 　 /　 　 { (ヽ　.|(　 共.ﾉ＝(　 共 ヽ_　 | :::::::::}/三三三三三=＼＿_／=三三ニ
.　 　 　 　 |:::::|＼　　 | ヽ　j::/| 　 　／　　 　 |　｀ｰ/ ｀ ｰ‐(､,,...,,,) ､＿.ノ　ヽ!::::::::/三三三三三三三三三三三三ﾆ
｀ヽ　　　　 ヽ::',　 ＼　!　　 !' .|　 ／　　 　 　 |　　 l　　／　 ー ''´　＼　　 /:, -.〈三三三三三三三三三三三三三
　　 ｀ヽ､　　 |ヾ､　　{_|＼ 　 _l／⌒ヽ　 　 　 ヽ 　.{　 〃r───‐ｧﾍ　　// 〃./三三三三三三三三三三三三三
.　　　　　 ヽ､|　　　　 |　 ＼{　_,．'⌒ヽ 　 　 　 ヽ ヽ　　 辷二二ﾌ　　 　 ´＿／|三三／Y⌒ヽ三三三三三三三三
　　　　　　　 ヽ　　 　 |　 　 |　　 ／⌒l　 　 　 　 ヽ ＼　　　　　　　　　／　　　|三ﾆ/／｀丶､ ',三三三三三三三ﾆ
　　　　　　　　 ヽ　　　| 　　 |　　　　／)⌒￣｀　ー ､＿ヽ 　 　 　 　 ／　)｀ー<￣ 　.}｀ヽ､　 　 }三三三三三三三=
　　　　　　　　　 |　 　 | 　　 ヽ　　 　 /　　　　　 ／ 　 ／｀ ー‐‐　'´　／　　　 ) 　 /ヽ　　　　/三三三三三三三ﾆ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　_＿j｀丶、　 {'.
　　　　　　　　　　　　　　　 ＜,_　　　　　 ＼ { ' 　/|
　　　　　　　　　　　　　{｀ヽ '´　　　　　　　　`　∨ﾉ
　　　　　　　　　　 　 ∠. ,.　　　　　　　　　　　　　` ､　.　-‐ｧ
　　　　　　.　　　　　 　 /　　 　 ,.　/ 　 / l、　　 -‐ '"　／/
　　　　　　　　　 　 　 厶ｨ'　 ／{ ,ﾑ　　{　|-＼ |　,.　 '´　/
　　　　　　　　　　　　　 /　/{　 Y´_ﾍ　{ `7´ヽ`　{_,ノ ／　　　　　　こうして、食糧難だった各地の村は久々の満腹で夜を明かした
　　　　　　.　　　　　 　 {　 {　ヽ {　ﾋ} ＼　ｌﾋ:} }　　 ／
　　　　　　.　　　　 　 　 ＼|　　)-─'　　ヽ.¨´_　　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　 .′{::::::ﾉ　　　　　｀ﾌ rﾍ(　　　　　　　　貝を育てる→増える→竜巻が起こる→貝が各地に降り注ぐ
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 {　　　　　　 ﾉ　,.∠.ノ
　　　　　　.　　 　 　 　,.．┐　＼　　　 ／／{-┐
　　　　　　　 　 　 　 (:::::::::|　/:/ﾉ¨`＜ ｨ'厂￣ }　　　　　　　　　　　→貝が両手で抱えきれない→桶がほしい→桶屋に人が殺到する
　　　　　　　　　　　　 ｀ヽ::`:::/く 　 　 }　}　　 _j＿__
　　　　　　　　　　　　__　.｀ニ..:::｢`ー-ﾍ厶.　'"ｌ::.::.::.::.:`ｧ　 、
　　　　　　　　　　　/　　ﾚ'´.: .:.:|　 -{　 }‐　　 | : : : : /　　　 ヽ　　　この一連の流れを指して『風が吹けば桶屋が儲かる』なんて故事が生まれたんだ
　　　　　　.　　 　 /　　 ′: : : : L._,ノｰｧ) ､__,ノ: : : .:/　　　　　 ',
　　　　　　　　　　|　 　 |: : : : : : : .:∨/: : : : : : : : : ;′　　 　 　 |
　　　　　　　　　　|　 　 | : : : : : : : : /: : : : : : : : : .:{　　　　　 　 |
　　　　　　　　　　{　 　 |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :{　　 　 　 　 |
　　　　　　.　　 　 }　　　: : : : : : : : Ｏ: : : : : : : : : .:`7　 　 　 　 {
　　　　　　　　 　 {　　　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : : .:/ l　　　　 　 }
　　　　　　　　　　|　　 　 ': : : : : : : : : : : : : : : : : /　 l　 　 　 　 }
　　　　　　　　　　|　　　　 }: : : : : : Ｏ: : : : : : : :く　　 l　　　　　│
　　　　　　　　 　 {　 　 　｛: : : : : : : .: : : : : : .: .: .:', 　 l　　 　 　 !
　　　　　　.　　 　 }　　　　}: : : : : :∧: : : : : : : : : : :'.　 }　　　　　i
　　　　　　　　　　|　　 　 j: : : : : / 　',: : : : : : : : :ノ(　{　　 　 　 }

　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────────　 ┐
　　　　　　　　　　　　　　　　│そして、各地の村人たちは竜巻によって飛んできた貝の出処を探し│
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│やがて少年の村に行き着いて貝の育て方を聞き、養殖を始めた　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│薬品には限りがあるから、頼らないで済むように村々で工夫をし　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　　│いつしかそれは産業へと発展していったんだ　　　　　　　　　　　　　  │
　　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────────　 ┘

　　　　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────────── ┐
　　　　　　　　　　　　　　　│活気があれば人は集まる、それに応じて品物や商人の出入りも増えて│
　　　　　　　　　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 │
　　　　　　　　　　　　　　　│不毛の荒野だった場所はどんどん発展していったそうだ　 　 　 　 　 　 │
　　　　　　　　　　　　　　　└───────────────────────────── ┘


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 （　　ヽ　　　　　　――――　　○　　――――
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 ,　⌒ヽ　　　　(　　　　　）　　　　　　　　　　／/ |　＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 （　　　　'　　　（　　　　　　　ヽ⌒ヽ 、　　 ／　/　|　 　 ＼
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ゝ　　　　｀ヽ(　　　　　　　　　　　 　 ） 　 　 　 　|　(⌒ 、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 ( 　　　　　　　　　　､⌒　　　　　　　　　ヽ　　　　　（　 　 　ヽ
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ,　⌒ヽ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 _,,.,..,......
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （　　　　'　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 .ｒ‐'''"~ 　 |.|
　　　　　　　　~|¨|¨"i　|　　o　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 ゝ　　　　｀ヽ　　  ,. ．r'"　　　　'"''''''''''''''''''i――┐.　.|　　　 　 |.|
　　　　　　　　. ! .!　 ! , ﾐく_）ттттr .h．.,_ｕ !!! |_|i` ､　(　　　　　　 　 -'"._,Ｌ ‐''"＝＝'''Ｔ "Ｔ　|＿| 　 　 |..　..|　r.1. 　 .!.!
　　　　　　　　. ! ｰ!┌.. 卵}}.―‐r.-　　 .|. i⌒j―~┤ｒ-　_ ｭｮ"'　　　 　 　 レ"~ r.1 ｢~.|-.ｎ-|｢Γｌ |　.|,．､ 　 　 |　　|　|^|　,...､ |
　　　　　　　　_ﾚさ/.|　. こﾊﾂ　 |　.|　　.|,<ゝ'＿ｲｨ_＿_.i⌒Ｌ　 ､．,．　　　 (.ｦ,-､,.､ /¨)ﾉ.)-､ｭ ! .|〈ｆ ),ﾄ､ﾉヽ,r>',.!　.,ｆ ζ.ヽﾄ._,ｨ.| ,､ヽ
　　　　　　　　.　 ',ｉ .| ノﾆﾆﾊ、 ..|　.|　　.|l,.,_.|　　__　　　　　 |〉-.r '''''''ヽ='ィ `､ぅ`,'.} Y{ ''ｒ'.Yヽiﾆ./'｝f''｛ ｝ｆ,.)､><ﾆェェ f_,.-'-亠,､(ノ
　　　　　　　　┌─r''1.i__.| ノ}.　|　.|_,...._,Ｌヽ.,'´　　 ヽ‐_.ｉ1_┘､_i二二っ_ヾi¨¨i　},'/..l　l.ﾋi　 .l'f､)ィ' i'"1 i ｌ. i `i i.',ヽ~,.' .ｨ 　 　 i.i-
　　　　　　　　｜　 |_,.|ｺっ,,１i_　|　.|￣ Ｔ,､mi　 　 　 i_ ,.7A.fヽ_―――．< ~ヽi.゛1　l　l ｌl,.､ i.iｰ'ヽﾆ、､i.l .l_.l　lll.',ヽ'<_/j　　　 ﾄi′
　　　　　　　　⊥．⊥L．‐ ''" l　|　.|　 /皿皿` ．_,ィ(,,,,､)_., ､|ｽ.｢｢￣「￣|__}ｆ"ヽ_ .i　^ﾄ|ｲﾄ､|./. <ﾉ､ﾂくヽﾞ､.i i.ﾉﾘ "lﾖ.ﾉ〈_　　　,' .|￣
　　　　　　　　- ．_　　　_,.．-'''ｰ-‐Ｌ」口 , -'"_ﾌζ(`ｰ'―`-'"~| l　 .|　 .| |ニニｺ¨　 Ц~i ii.Ｔтl只´ l.l　_〉J',l ll　l　~ l　､￣.ﾄ､|ニ
　　　　　　　　．_ _,.｀＞´　| .}_ｔ_　　　|,ｨ'＿＿｀'＿`´_`ー_―_''_'ﾄ.ト_''_''"¨_┐ィ=.l　　 　 └｀.}_ﾉ ｉ.Y_ _j `i´.,'　}i l'./| 　 l　 l',　.',
　　　　　　　　‐'"　 　 |　._j　　　 ｢￣|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿_|┘<ヽl―.､.　　 　 Ｊl.l　ｌ. ｉ. l"''~l　 i｀ﾄi　ﾄ.､　ｉ　l ',　.ｉ---
　　　　　　　　　 　 　 .|'　,．．．_,r''>-､　　　.| ｆ.Y iYﾞ､ヽ〉Ｖ.>ヽi i ﾉ┌.────┐　ﾞ､　 　 　 　 Ｌj､ﾉ　└､_)　　　　｀ l　l .i　.l"""
　　　　　　　　　 　 　 .レ rﾉヽr,>＜.ヽ,-ﾞ､ ､..|, 〉‐ﾝt ｿヽr">､ノ7-Y７　,.､　 _.,.､　 !""".|　　　　　 しU　　　　　　　　　 ､_ .l ト┤
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　　　　　　　　／,,.､ ｀>''"''"ヽ,r' .〉- l,.r＝|.ﾉ　 i i　　i ',　.ll .ﾚ'-'ｉ.i `‐'ｨ|`rY 口　',ｺ ﾄ､´ ', } }`､
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　　丶､　　　　　　 　 　 　 　 　 　 _＿ 　 |　 !ヾ: : :'　l: ;l:‐:!-: l､ヾ　　　　　　 ,':.:.: !　　　　ちなみに、この事件の大本となった少年だが
.　　　　＼　　 　 /　 　 　 　 　 ,▼ 　　｀　__, 'ﾆヾ:l　､ヾ!ヾ!ﾞヾlヾ:|｀ミ 、　　 ,‘:.:.:,‘
　 　 　 　 〉　　　　　　　　　　 ,'　　　　　　 　 ヾ : : : : ヾ _: :＿: :｀: : : :ゞ, イ:.:.:,ｨ/
　　　　　 (　　　 l 　　 　 　 　 {.　　　　　　 　 　 ',: : : : : : /＼´: : : : : : :ヾ, イ´/　　　　　かなり意外な人物だったりするんだ
　　　　 　 ｀ ヽ　‘,　　　 　 _＿ゝ.　　　　 　 　 　 ｀: : : : :/::::::::＼ : : : : : l!::ヾ' ´
　　　　　 　 　 ＼l　 　 〆:::::::::::... 　 　 　 　 　 　 　 ﾞﾞﾞﾞ/::::::::::::::::＼: :ミ'､: : ヾ
　　　　　　_ｘ≦￣｀!　　｀ヾ::::／,ｲ! 　 　 　 　 　 　 　 /::::::::::::::::::::::::＼: : : : : : ヽ　　　　　街の発展に伴い、少年は学ぶことが必要だと感じた
. 　 　 　 〈　　　 　 }　 　 　 / /::::.｀＝===‐‐─‐‐　 /::::::::::::::::::::::::::::::::＼: : : : : : ヽ
　　　　　　'.,　　 　 } 　 　 /　/ヾ::::::::::::ヾ /! 丶￣／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧ｘ＝=ヾ｀ -
　　　　　＿丶　　　｀ ＝ ' 　/　　｀,≧ｘ:::ヽ!ｒニ／:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::r７'´　　　　　　　そして幾ばくかの金子と、己の身一つで中央部へ旅立ち
.　　　 /´_＿｀＞　___ 　,彡'´=＝ヾ::::/::::｀x、ゞ=-x:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>´
　 　 /´　, __ ﾞヾ　!'　ﾉr７::::::::::::::::::::ヾ:::::::::::::::||::っ:}:::::::::::::::::::::::::::::::::::彡'ゝ
....　/　　´￣ ｀i ヾ,ィ'ﾞ.l::::::::::::::::::::::::::::::｀￣::::ヾ｀￣´::::::::::::::::::::::::::::::::::, イ::ヽ､　　　　　　　　学生は苦労の果てに知識を蓄え、やがて青年となった
　　|　,　 　-‐ '､　{..:::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧:ｘ､
　　|./　　ｘ -　'lヽ,.:::::::ｌ:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧:ｘ
　　ヾ　 ´ 　 l　l ::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::＼　　　さて、その青年の名こそ…



　　　　　　　　　　＿＿　　-‐…　…‐- ､
　　　　　　　　 　 ＞…冖…　　 　 　 　 ＼
　　　　　　　＿／　　⌒＞　==ミ　　 ⌒＼ ＼
　　　　　 ＿＞―=彡　 ＿彡⌒　 ＞⌒ヽ　　〉
　　　　　 ＞―　　　‐…冖　　　　｛　　　　 ∨　　　　　　　　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　　　　＿＿彡⌒　　 ⌒ア　　ﾉ彡く　　.,_　 ,.〉　　　　　　　　　　　　 　 |後に当時の開闢、ニコラ・テスラと鎬を削った発明家　|
　　　　／二二⌒＼ ＿彡彡く　　　く　 ゝｯｧ ＼ _______　　　　　　 　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　|
　　 ／ニニニニ　　∨ ⌒''冖彡　ノ 廴　　　r-x 　　⌒＼　 　 　 　 　 |トーマス・アルバート・エジソン氏だったというわけさ　　|
　　 　 二二二 　　　 ∨￣￣　　 ＿彡　　　 ｧ/二ニ　　 |　　　　　　　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ノ
　 {　　二二二 　 　 　 ∨　　　　　｛__　_,.　癶ﾉ二ニ　　　|
　 ∨　 二二二　　 　 　∨ﾆ=- -＜⌒'冖彡くニニニ＼　|
. 　 ∨　 二二二　　　　/ ∨　―……冖　-=ニニニニ∨}　　　　　　　f´￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣ ｀ヽ
　 　 ∨　 二二二　　／　　〉''～　.,　　　　　　´"'～x／⌒＼　　　　　  |最大のライバルにして最大の理解者二人の出会いは 　|
. 　 　 ∨　 二二二彡　　 //⌒'～　.,´"'～　　　　 　{　　　　’，　　 　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　|
　　　{　　￣二二二二　／　　　　　　 ´"'～ /　　,　 {　　　　　 ，　　　 |ここでお話するには少々時間が足りなすぎる　　 　 　 　|
　　　 ＼＿＿ニニニ／　　　　　}{　 　 　 　 {　　　, 　 　 　 　 　 ，　　 |　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　|
　　　　 {　　　 　 　 　 　 　 　 　 }{.　　　　　 ∨　　 ,　 　 　 　 　 }　 　 |それはまた、別の機会にでもお話するかもしれないね　|
　　　　 {　　　　　　　　　　 　 　 八　 　 　 　 ∨　　 ' ,　　　　　　}　 　 ヽ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿　ノ
.　　　　 ＼　　　　 　 　 　 　 ／ Λ＼　　　 　 ∨,　　 7　　 ｀¨¨ /
.　　　 　 〈 ＼　　　　　 　 ／　／　ﾆﾆ=-　 　 　 /　　/ /　　　ノ ﾟ，
　 　 　 　 ∨　＼　　　 ／　／　　　　　ニニ=-彡 　/ /｀¨¨¨´　　 ﾟ，
. 　 　 　 　 ∨{　 　 　 　 ／　　　 　 　 　 　 　 /　 / /　 {　{　 }　　 }　　　　　　┌──────　┐
　 　 　 　 　 〈{　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 /　 / /　　｛　l　 }.　 /Λ　　　　  │黎明の発明家　│
　　　　　　　　{〉　 　 　 {　　　 　 　 　 |　　__/　 / /　　　{　{　 }　/　 Λ___　　 │　　エジソン　　 │
　　　　　　　　{Λ. 　 　 { 　 　 　 　 　｜ﾆﾆ〈__　／　-=ﾆ｛　{彡ｸ　　　 ﾉ　⌒＼└──────　┘


　　　　 　 　 　 　 　 ,　　 　 _ｨ-,
　　　　　　　　　　　l∧　ｘ≦li≧ｘ=I
.　　　　　 　 　 ｘ≦三ﾆｘilililililili/ ヾ
　 　 　 　 　 　`ゞ=＝=≧ｘlililｉ/, ｨ≠=,
　　　　　　　　　!/{ ・ﾉヾ!　ヾ=´　　 ／
　　　　 　 __,,　ｊ▼　´ ヾ　・ﾉ:::::ヾ／ヽ
　 　 　 　 }三!}ゝ 　　　 ￣):::::::ヾゝ彡'
　 　 　 　 ヾ彡'´ゝ‐-=弋__｀ヾ'´
　　　　　　　　　　/ﾆ_｡`i´ ｀ヾ　　　　　　　　　さてさて、もう時間が来てしまったね
　　　 　 　 　 　 /　i!|　　　 ,ィ｀､
　　　 　 　 　 　 ｀ｿ_└==ヾ　　 〉
　　　 　 　 　 　 ,{ l|￣ヾ´ ｃ ,／　　　　　　　　今日のお話はここまで。次回はまた新たな歴史的珍事を語るとしよう
.　　　　　 　 　/ 　l|　 .:::ヾ彡i
　　　　　　 　/ 　 .l|　　 　 ∧
　 　 　 　 　 ,ヾｘ　l|　　　　　 )_
. 　 　 　 　 / 　 ヾ=彡= ＝　´,ｲヽ､_
　 ｘ≦≧ｘ/　 　/ 　　　 ＼／ニﾆ//
　 ＼二ニニヾ/　　　　 　 芹ニ,ｲ´
　　　 ´ヾニﾆﾉ 　 　 　 　 弋,zｲ
　 　 　 　 ￣´　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり

おまけ


　　　　 　 　 　 　 　 ′:::::::::i二二二二二{__
　　　　　　　　 　 　 i::::::::::::::|二二二二二二≧ｘ
.　　　　　 _,...　　--┴----へ. 三斗y　ﾌ∨i　､ヽﾆ>
.　　 　 　 `ｰ-　 __ー=フ　　　 ､＿,ｨ,く　　 ﾉ}/ﾊﾉ´
　　　　　　　ｒ≦::::::::ﾌ´　　　　 __,,..:'　 ゞ‐＝￢ ､　　　　　　ああ、そうそう捨てられていた薬品について言及していなかったね
　　 　 　 　 `＝＝彳 　 　 f´　　　　　　　　`マｊ
　　　　　　　　　＿ ゝ冖=-- ､　　_、　　　　　 ﾉ
　　　　　 　 ／　　 ＼　 ｒ─┴-　Lヽ　､　_=ミｘ_ｆﾆiト､　　　　　実はこれ、貴族の奥方が捨てていった精力剤だったんだ
..　　　　　, '　 　 　 　 ＼∨　　　　　 }≧='⌒ヾ寸ﾆﾝ
-､　　　_/　　　　　　　　⌒ヽ　　　　 j ／　　　‘,亠′
､　ﾞ ＜}　　￣　 ─　　　　/≧=--　　 -へ　 　 {　　　　　　　　　ヴェイパーは神経の構造が人間に近い貝類でね
　｀ヽ　 ｀ヽ　　　　　　　　 L__　 　 　 　 ___}　　 ∧
. ／,'　　　 ＼　　　　　　　 　 　 フjt≦　　 　 　 ∧　　　　　　　　 ,　'´
　 /　　　　　 ｝　　　　　　 　 ／　/ ∨　　 　 　 　 }　　　　 　 ,　'´　r ´　　興奮した貝類が旺盛に繁殖していったというわけさ
. / r i　 ,　　 ,'7　　　　　　／ 　 / 　 ∨　　　 　 　 ＼　　　_/ ＿　八
..{　!｜ i　ﾊ　!′　　 ＞ ´　 　 /　　　 }　　 　 　 　 　 ﾞv'⌒{　　　ヽ　 ｀


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 __
　　　　　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 _＿＿＿∨ ,,___
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ///////彡ゞ':レ'
　　　　　　　　　　　　　,.:r:.:x､ 　 　 　 　 /,..///　　　　 V∧
　　　　　　　 　 　 ,ｒ:.x'´r'¨ヾ:!＿＿_,,,,r'´∧:.∨　　 　 　 }//}
.　　 　 　 　 　 r:._ヾ:._}:_}.r-:.ヾﾆニニ二二∧.:∨　　　　 ///
　　　　　 　 　 {:.ヾ=': :,r''"´　 ｀二|:/{!rﾍ==ゞ: : ＼　　　///}
　　　　　 　 　 {: : : }攵　　　　{乂 '　ﾊ{__:|!Ⅴヾ: : :＼___{//il{
　　　　　　　_丨` ='!　＿,,　　(　 　 　 ヾ｀ : : : : : : : : : : :＼ili＼　　　　　世の中、何がどう転ぶかわかったものではない
　　　　　　　}_｀二'''>∨ili{ r==ゝ　　 　　 ｀ﾞﾞ''''ｰ-,: : : : : : :{ ＼ili＼
　　　　　　 [二」　 { 　ゞ彡'　　 ｀　=‐--　､　r:.'´ : : : : : :,ﾊ
. 　 　 　 　 }￣´　 |　　　　　　 　 < ￣ ｒ=≠=‐-≧ｘ‐-_ゞ ｀　　　　　　　だからこそ、その足跡をたどる歴史学というのは必要なのさ
　　　 　 　 {:.:　　　| 　 　 　 　 _/¨ヾ　.:{　　　 　　｀￣,ノ
　　　 　 　 {　　　 ∧´￣￣ "´ 　,ｒ=ヾ.:}　　 　 　 ,.:イ
　　　 　 　 {　 　 /　{　　　 　{　　ゞ''=ｘｃ二＝='''´｀≧ｘ、　　　　　　　　　興味があれば、君も是非歴史を紐解いてみるといい
　　　 　 　 ゝ=‐--- }　　　l　|　 　/　｀ヾ彡'　　　　　　 }
　　　　　 　 　 　 {:::::}　　　|　il　 /!　　　　　　　　　　　 }
　　　　　　　　 　 弋{　 　 　 　 //　　　　　　　　　　 　 ＼　　　　　　　　意外な発見があるかもしれないよ？
　　　　　　　　　　 ∨ 　　　　 //|　　　　　　 　 　 　 　 　 ＼
　　 　 　 　 　 　 　 ∨　　 　 ,/ﾊ!　　　　　　　　　　　　　　　＼
　　　　　　　　　　 　 ∨　　 ,/ |. |　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ＼
　　　　　 　 　 　 　 　 ＼__./.ﾊ|. |　　　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ／
　　　　　　　 　 　 　 　 　 　 「」. |　　　　　　　　　　　　　　　／
　　　　　　　　 ＿＿ ,r 、　　rl　＞:...x..＿ 　　 ＿＿_,,. 　''"´
　　　　　　 ／:i: : : : : : ∧__ /二二二ニ=:{￣￣　 |. {
　　　　　　ゝ=:|: : : : : : : /| |　 ,r=┐　　 　＼　　　|.　＼　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　今度こそ終わり

以上です、もう３回目だけど早くもネタがなくなってきた…

乙でした
貝から竜巻が発生するとか予想できるかｗｗ

乙です
新たなトルネードがまた一つ……

乙でした

乙でしたー
混沌とした魔剣世界だからこそ、歴史の中の一コマが何を変えるのか分からんのよね

乙でした
魔剣世界のエジソンも自伝めっちゃ書いてそうだなあｗ